岡田尊司 著『生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害』 (朝日新書)より
●部下が回避性の場合
若い人に回避性の傾向が強まっていることもあって、最近の会社では部下が回避性
というケースも増えている。
アグレッシブな上司の場合は、部下の態度が、やる気のない物足りないものに思え、
つい発破をかけたり、ときには激しく叱りつけたりする。
しかし、そうした常識的な対応は、大抵事態を悪化させてしまう。
一気に潰れてしまうか、会社に来られなくなってしまうというケースも少なくない。
回避性の人は、期待や責任を過大に感じ、大きなプレッシャーがかかると簡単に潰れてしまう。
まず、そのことを理解しておくことが大事だ。
能力的には、とても優れた面や独特の感性を備え、うまく使えば、よい持ち昧を発揮してくれる。
今日では、回避性の人をうまく使いこなせないと、人が回らない時代になっている。
営業系の職場ならば、体育会系の人や自信たっぷりな人たちばかりを集めることも
できるだろうが、技術系や専門性の高い職場となると、むしろ回避性の人たちが主役で、
このタイプの人を除外したのでは、業務が成り立たない。
回避性の部下を、どれだけうまく使いこなし、その能力を発揮させるかに、
上司の腕が問われるともいえる。
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