職場で我慢できない苦痛

　大量の木製建具が、工場の生産ラインを切
れ目なく通過している。
　しかし、私の方には仕事が流れてこない。
　大量の製品がベルトコンベアで流れて来る
のを、ただ眺めている他ないのだ。
　私が自ら仕事をしようとすると、上司はこ
う言う。
　「それはお前の仕事ではない」
　—えっ、それはないだろっ！
　私は心の中で叫ぶ。怒りに全身が震え、息
が苦しい。
　私の職場には悪魔がいる。
　彼は、労働者から積極性と自尊心を盗む。
　もはや労働者にとって、勤勉と実直さは無
意味だ。
　私自身も悪魔に取り憑かれた。
　労働意欲が涌いてこない。
　しかし、私はあきらめない。
　作業服の内ポケットに短剣を忍ばせ、無駄
な労働に勤しむ。
　隙あらば、短剣で悪魔の心臓を抉り出す事
を考えながら。

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