>>1のつづき
●金額よりも母集団のベースを気にしよう
賃金カーブと同様、平均年収は会社の規模や業種で異なること、平均年齢が低ければ年収も低
いということが読み取れるでしょう。業界間の差よりも会社間の差のほうが大きいこともよくわかりま
す。会社間の差の要因には、従業員の男女比も関係していると考えられます。
待遇自体の男女差というよりも、女性労働者には若年層が多いことや、一般職など待遇の違う職種
があるということから出てきた差です。「現業者」もその一つの要因です。現業者とは、工場のラインな
どで働くいわゆるブルーカラーの人たちを称しています。採用も待遇も総合職とは別枠ですので、大学
生の読者の多い『就職四季報』では、原則として現業者を除いた回答をお願いしています。
●平均年収は会社の収益力の象徴
これまで、データは表面だけをとらえるのではなく、背後にあるものを深掘りしましょうということを
繰り返し書いてきました。ただ、こと平均年収に関しては、会社別ばかりか、職種別や年代別、役
職別など非常に細かく知りたがる人が多いようです。これは深堀りの方向性が違います。年収の
背後にある収益力、「稼ぐ力」が今後も盤石なのかどうか。構造的に年収が低い(高い)業界は背
後に何があるのか。正しい会社研究に充てられる時間はあとわずか。ささいな金額の差を気にす
る暇はもうあまりないはずです。(赤峰みどり = 就職四季報、就職四季報 女子版)
以上
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